双眼鏡から眼を少しずつ離していくと、ある程度のところで、接眼レンズの中に、下の写真ような円が見えてきます。この円の直径をひとみ径と呼んでいます。ひとみ径は双眼鏡の明るさを考えるうえで、重要な要素です。
ひとみ径は、下記のような式で、倍率と対物レンズ有効径から導き出すことができます。また、ひとみ径を二乗することでその双眼鏡の「明るさ」を数値で表すことができます。
双眼鏡のひとみ径は、人間の瞳孔の径と深く関係しています。人間の瞳孔は、暗いときに最大7mm程度まで開き、明るいときには2mm程度まで閉まります。
人間の瞳孔よりも双眼鏡のひとみ径が小さい場合、光が十分に集められないため、視野が暗く感じます。
たとえば、瞳孔が5mmまで開いているとき、ひとみ径3mmの双眼鏡を使うと、ひとみ径のほうが2mm小さいため、暗く感じます。一方、瞳孔が3mmまでしか開いていないときに、ひとみ径5mmの双眼鏡を使うと、2mmぶんの光が無駄になり、感じられる明るさは、ひとみ径3mmの双眼鏡と同様になります。