ダハポロよりもプリズムの反射が複雑なため、良い像を得るためには様々な工夫が不可欠です。

その工夫のひとつが補助プリズム(ペシャンプリズム)に施される金属膜です。この金属膜は、ペシャンプリズムの反射率の低い面を補うものです。この金属膜に使われているのはアルミ、銀、誘電体多層膜の三種類で、あとに紹介したものほど、より反射率が高くなります。

アルミや銀と比べると、誘電体多層膜というのは聞きなれない言葉かもしれません。これはレンズのコーティングと同じように、ガラス表面に科学物質の膜を重ねることで、極めて高い反射率の鏡面を作る技術です。現在高級双眼鏡と呼ばれるものには、ほとんど全てこれが使われています。