双眼鏡から眼を少しずつ離していくと、ある程度のところで、接眼レンズの中に、下の写真ような円が見えてきます。この円の直径をひとみ径と呼んでいます。ひとみ径は双眼鏡の明るさを考えるうえで、重要な要素です。

ひとみ径は、倍率と対物レンズ有効径から計算で導き出すこともできます。また、ひとみ径を二乗することでその双眼鏡の「明るさ」を数値で表すことができます。

双眼鏡のひとみ径は、人間の瞳孔(どうこう)の径と深く関係しています。人間の瞳孔は、暗いときに最大7mm程度まで開き、明るいときには2mm程度まで閉まります。

ひとみ径と瞳孔の関係

  • 人間の瞳孔よりも双眼鏡のひとみ径が小さい場合、光が十分に集められないため、視野が暗く感じます。
  • 人間の瞳孔よりも双眼鏡のひとみ径が大きい場合、光は十分以上にあり、少し無駄になってしまいます。

下の図は、瞳孔とひとみ径(明るさ)の関係を表したものです。

  • 瞳孔が3mmのとき、ひとみ径3mm(明るさ9)の双眼鏡を使うと、十分に明るいです。
  • 瞳孔が3mmのとき、ひとみ径2mm(明るさ4)の双眼鏡を使うと、ひとみ径のほうが1mm小さいため、暗く感じます。
  • 瞳孔が3mmのとき、ひとみ径4mm(明るさ16)の双眼鏡を使うと、十分に明るいですが、1mmぶんの光が無駄になり、感じられる明るさは、ひとみ径3mmの双眼鏡と同じです。

もっと暗い場所に行き、瞳孔が4mmまで開けば、ひとみ径4mmの双眼鏡の光は無駄にならず、ひとみ径3mmの双眼鏡よりも明るい像が得られます。

「明るさ」が大きい双眼鏡は、一般的な意味での「明るい双眼鏡」ではなく、「より暗いところでも見える双眼鏡」なのです。

明るさの目安

用途明るさの目安
星空の観察16以上(ひとみ径4以上)
野鳥の観察(昼)9以上(ひとみ径3以上)
野鳥の観察(夕暮れ時)16以上(ひとみ径4以上)
観劇・コンサート9以上(ひとみ径3以上)