窓ガラスにも反射する光があるように、レンズにも反射する光があります。

レンズに向かって射した光は、空気中からレンズに入る際、約4%反射します。また、レンズから再び空気中に出る際、もう一度、約4%反射します。つまり、レンズの表と裏で一回ずつの反射があり、残りの光が、レンズを透過していきます(下図)。

反射による光の損失は、双眼鏡にとっては大きな問題となります。双眼鏡の中には、片側だけで、少なくとも5枚のレンズと、2つのプリズムがあるからです。

多いものでは、レンズとプリズムを、あわせて10以上ということも。10のレンズとプリズムがあれば、反射面は倍の20ということになります。反射のたびに4%の光を失っていくと、瞳に届く光は最初の50%以下ということになります。

この、反射による光の損失を防ぐのがコーティングです。レンズに様々な化学物質の膜を作ることで、光の反射率を下げ、透過率を上げます。

コーティングには大きく分けて、以下の二種類があります。(クリックして用語集をごらんください)

モノコート(単層コート/シングルコート/マゼンタコート)
マルチコート(多層コート)

正体不明の謎のコートもあります(笑)。

ルビーコート(IRコート)

より詳しくコーティングについて知りたい方は、下記をクリックしてください。

コラム「コーティングのしくみ」